灯火 わかっていたの こうなること だからこそ余計に 決心は変わらなかった 自分の身体が 視界が 想いが 魂が 消えてしまうのを感じながら 涙は出ない だって わかっていたから 『アリーシャ』 聞こえる 大好きな彼の声 呼んでるわ 彼が ルーファスが でも もう そっと振り返ってみると 彼の顔が寂しそうで 泣きそうになってしまったの でも 彼に幸福が訪れるよう祈って そっと指輪に口付けて 精一杯笑ってみせる 『アリーシャ』 また呼んでくれる 嬉しい 大好きだよ だから だから 私の魂は消えてしまうけど もし生まれ変わったら また あなたを好きにならせてね 魂とは他者が所有できるものではない ゆらゆらと揺れて漂う様に 不安定なものばかりのこの世界で 人の魂とは特別なもの ひとりひとりが持つ壮麗たる灯火 その灯を、簡単に消すことは許されない しかし その灯は、何度消えても同じだけまた光りだす 姿は変わっても、きっと魂は同じだと 信じている END 2006年6月執筆 2008年3月修正 小説というより、むしろ詩に近い気がします。 最後の最後、アリーシャが精一杯ルーファスのことを想っていたらなぁ…なんて。 では、読んでくださった方、本当にありがとうございました! 2008年3月14日 |