こたえ 「よっし、作戦決行だよ!」 「頑張りますのよ、ミュウ」 「はいですの!」 野営の準備を整えた場から少し離れた草むらにコソコソと隠れるアニスとナタリア。 ふたりに見送られ、その場を離れるミュウ。 ミュウの向かった先にはティアがいる。 空を眺めているのか、ぼーっと立っている。 「ティアさん、ティアさん」 「あら?ミュウ。なにかしら?」 「ティアさんは、ご主人様のことをどう思ってるですの?」 「えぇ!?」 アニスとナタリアの作戦はこうだ。 ティアの気持ちを聞きだそうにも、自分達が聞いても素直に教えてはくれないだろう。 男達などもってのほか。 しかし、ミュウならば。 そんなところだ。 ティアがルークをどう思っているのか。 その問題の答えに、アニスとナタリアは興味津々だ。 「え・・・そんな・・・」 「どうしたんですの?」 「・・・ねぇ、ミュウ」 「はいですの」 「それは誰かに頼まれたから聞きにきたの?」 「ち・・・違いますの!」 「・・・そう」 ほっと胸を撫で下ろす草むらのふたり。 ミュウが色恋の質問をすることを、ティアが疑問に思って尋ねてくる。 それは計算のうちだった。 「ミュウはうちあわせ通りにやってくれましたわね」 「うん。あとはティアが答えてくれれば〜・・・」 もちろん、うちあわせ済み。 「どうなんですの?ティアさん」 「えと・・・」 小首をかしげるミュウの可愛らしさにティアはたじろぐ。 「私は・・・ルークのこと・・・」 「ティア!ミュウ!なにやってんだ?」 「!!」 ティアの言葉を遮ったのは、渦中の人物。 「「「ルーク!」」」 と、女性3人の声が重なる。 アニスとナタリアが、なんとも最悪のタイミングで登場したルークに驚いた。 あげく、草むらから顔を出し声をあげてしまったのだ。 それを見つけたティアが豹変する。 完全に目が据わっている。 「アニス〜・・・ナタリア〜・・・」 「わ・・・私達は、たまたま通りかかっただけですのよ!」 「そ・・・そうだよ〜」 「見え透いた嘘をつかないでちょうだい!ミュウを利用して変なことを聞いて〜!」 ティアはものすごい勢いでふたりをまくしたてる。 ぽかんとルークは立ちすくむ。 同様に隣に立つミュウの首根っこをつかみ、その場にしゃがむ。 「おい、ミュウ。何があったんだ?」 「えと、ボク、アニスさんとナタリアさんに、ティアさんがご主人様をどう思ってるのかを聞いて来いって言われたんですの」 「・・・・マジかよ」 「はいですの」 「・・・で、ティアはなんて」 「ティアさんがしゃべろうとしたら、ご主人様が来たですの」 「え・・・で・・・今に至るってか?」 「はいですの」 残念なのか、嬉しいのか。 正直複雑なルーク。 そんなルークに、ミュウが一言。 「ご主人様は、ティアさんのこと、どう思ってるですの?」 「でぇぇ!・・・ばっか、んなこと言えるかっつーの、このブタザル!」 「みゅぅぅぅぅぅ」 顔を赤くしてしまったルークは、ミュウを解放しズカズカとその場を離れた。 いまだ、ティアはアニスとナタリアに怒りをぶつけていた。 否、照れ隠しか。 結局、問いの答えは見つからず。 END 2005年12月執筆 2008年3月修正 ルクティアというか、ただのドタバタ。 ミュウとルークの会話が書きたかっただけだったり。 では、読んでくださった方、ありがとうございました! 2008年3月11日 |